ちゅるちゅる事件

我が家では、冬場によく鍋をする。水炊きにゴマ味噌チャンコ、塩チャンコ、、、色んな味の

バリエーションで楽しんでいる。

色んな鍋をする中で、いつも問題になるのがマロニーとかくずきりとかうどんといったちゅるちゅるした食材の取りあいだ。

これは食い意地のはった僕と長男の戦いだけではなく、娘2人と「そんな食べ物の事でイライラしなさんな。」と普段はすましている家内も巻き込んだ家族全体での戦いだ。

でもやっぱり一番腹が立つのがお茶碗や箸や皿の準備など全くせず「晩ご飯できたよー。」

と呼ばれてもギリギリまでコタツでゆっくりしてるくせに、鍋のふたを開ける瞬間、

マロニーを取るためにいつの間にか左手に皿、右手に箸を持って待ち構えている長男だ。

何の手伝いもせんくせに、皆よりも先に箸をいれガッサーとマロニーだけを取っていく。

「お前手伝いも何もせんとって真っ先に他人の事も考えずマロニーだけそんなに取るんかい。」

あんまり腹が立つから、鍋の熱い汁わざと飛ばして動きを止めてやろうかとすら思う。

その後、鍋に箸を入れた妹達は口々に

「あーもうマロニー無くなってるやんか。〇〇ちゃん(長男)ばっかりずるいわー。」

一番下の娘は「ちゅるちゅるは?ちゅるちゅるもう無いの?」

鍋も蓋を開けたばかりで他の具材をある程度食べてから、次の具材の投入となるので

マロニーだけすぐに入れるわけにもいかない。

また、うちの長男は肉類ばかりを食べ野菜はほとんど食べない。

さっきマロニーをたくさん食べたうえに好きな物しか食べないことに腹が立って

「マロニーや肉とか好きな物ばっかり食べずに野菜も食べんかい。」

長男に小言ばかり言っている自分の小ささを感じる。

そうこうしているうちに、鍋の中の具材がだいぶ減って第2段の具材の投入だ。

もちろんマロニーもたっぷり入れた。強火にしてしばらく待つ。

待ってる間にお腹が少し痛くなってきて「ゴメン。ちょっとトイレ行ってくるわ。」

トイレでちょっと一息。

「さぁ!鍋食べるぞー。」と思って食卓に戻るとすでに鍋の蓋は開いており、

家内が箸でマロニーをガサーとさらっている。

「おいおい、ちょっと待ってよー。せっかくマロニーセッティングし直したのに。」と言うと

「そんなん、取ったもん勝ちや。」とおっしゃる。

横では娘達が「もうちゅるちゅる無いのー。私にもいれてよ。」「ママだけずるいわー。」

とまた騒いでいる。

そんな中またマロニーを取ろうとしている息子を威嚇しつつ、娘2人の皿にマロニーを入れ、

結局自分の皿に入るのはちぎれたマロニーが数本。

「くそー。僕だってマロニー食べたいのに。」

また鍋の具材が減るまで待つうちにだいぶお腹も張ってきた。そろそろ皆はシメのうどんを食べたいとの事。僕もマロニーの事はどうでもよくなってきた。

鍋の中に冷凍うどんを3玉入れ強火にし、鍋がふくのを待つ。

「僕はマロニーを食べてないからうどんはガッツリ頂くで。」と周囲にアピールしつつ鍋の蓋を取ろうとしたら、長男がまた箸を片手にスタンバってる。

「お前もうえーって。勘弁してくれや。僕はマロニーほとんど食べてないから、うどんは僕から取らせてくれやー。」

と長男に言うと、「そんなん、僕だってうどん食べたいわ。さっき2回目のマロニーはあんまり食べられへんかったし。」

この会話を聞いていた家内が

「みっともないから、やめなさい。またうどん入れたらえーやないの。」と偉そうにいうあなたがマロニーほとんど食べたからやないの、と心に思いつつ口には出せず、うどんをちゅるちゅる吸い込む真太郎先生の冬の一場面でした。

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